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ジャーナリストのFacebook Newsへの質問に対するザッカーバーグ氏の回答

運営事務局 JIMOPLE 56 October 29, 2019

Facebook(フェイスブック)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がジャーナリストやメディア企業の重役たちを目の前に登壇したときは、明るくおどけた様子すら見せていた。その時点で彼は、このイベントが10月第4週に行ったもののうち「今のところベスト」と説明していたが、報道界が懐疑的である理由を彼はよくわかっていた。

Facebookは、結果としてこの10年間、経済的に困難な状況を報道界に与えてきた主犯格だった。そのため、Facebookを再び信用することなど馬鹿げていると感じる人間は、出版業界には大勢いるTechCrunchの記者であるJosh Constineもその一人だ。

1つには、Facebookのアルゴリズムがどのように異なるタイプのコンテンツを優先させるのか、そしてアルゴリズムを変更することで出版界にどれほど甚大な被害が及ぶのかという疑問だ。

「私たちは、パートナーたちと力を合わせることで、情報の処理方法について、より透明性を高め、より多くの時間をかけて観察できるようになります」とザッカーバーグ氏は話し、続けて「安定性が大きなテーマだと思います」と語った。そこでFacebookは何かを「実験」として試そうとしているようだが、「それが急激な変化をもたらすようなら、みなさんのビジネスに採り入れることは難しくなるでしょう」と言った。

同時にザッカーバーグ氏は、Facebookのアルゴリズムは「私たちの事業の中でも、もっとも理解されにくい部分」だと論じた。具体的には、利用者になるべく長い時間Facebookを見て過ごさせるためだけにフィードを最適化しているという批判が多いことを挙げていた。

「それは真実ではありません」と彼は言った。「もう何年にもなりますが、すべてのフィード担当チームに対して私は【中略】利用時間の最大化を目的としたシステムの最適化を禁じてきました。私たちが実際に行っているのは、有意義な対話ができる限り多くできるよう促すことを目的にしたシステムの最適化です」

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例えば「Facebookがアルゴリズムを友人や家族のコンテンツを他のタイプ(ニュースなど)よりも優先させるよう変更したとき、人気の動画が1日あたり実質的に5000万時間ぶん見られなくなった」と彼は言う。その後の収支報告では、Facebookの時価総額は米国市場最大の下げ幅を記録した。

ザッカーバーグ氏は、News Corp(ニューズ・コープ)のCEOであるRobert Thomson(ロバート・トンプソン)氏と共にニューヨークのステージに登場し、Facebook Newsの開始について討論した。ニュースは、Facebookの中に新設されるニュース専門のタブだ。トンプソン氏は、こんな簡単な質問から話を切り出した。「なぜ、こんなに時間がかかったのです?」

ザッカーバーグ氏はこれを受け流し、こう切り返した。「これ以上の褒め言葉はありません。私たちが現実に良いことをしたという意味ですからね」。

さらにザッカーバーグ氏は、Facebookはずっと以前からジャーナリズムに興味を抱いてきたと続けた。「インターネットのプラットフォームはみな、報道を支援するための資金援助や提携の努力をする責任があると思っています」と言うが、当初その努力はニュースフィードに限られていた。それは基礎的なアーキテクチャーであり、ニュースのためのスペースは十分に与えられていない。ほとんどの利用者の最大の関心事は友人や家族の話なので、なおさらだ。

そのためFacebook Newsは、ニュースにふさわしい場所として活躍することになる。ちなみに、メインのニュースフィードにも今までどおりニュースは現れるとFacebookは説明している。ザッカーバーグ氏はまた、いわゆる「エコシステムの混乱」を招いた過去の実験を踏まえ、本格開始前に問題なく運用できるかを確かめるのだと述べていた。

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特に彼はこのタブを、多くの人たちの興味を惹くように、Facebook MarketplaceやFacebook Watchと並べてFacebook内に表示させなければならないと話す。ザッカーバーグ氏は、これらのタブに対する大半のFacebook利用者の関心が低いことも認めている。しかし、そもそもの利用者数が膨大であるため、その数%でも数としては意味がある。

「(Facebook Newsは)おそらく数年内に、2000万から3000万のユーザーを獲得できると思います。それだけでも、十分に価値があります」と彼は言う。

Facebookは、Facebook Newsに参加する一部の出版社に出資もしている。ザッカーバーグ氏はこれを「長期の安定した関係とパートナーシップを多くの出版社と結ぶのは、これが初めて」だと言っている。

出資する出版社をどうやって選んだかに関する詳しい説明を、何人ものジャーナリストが求めていた。ザッカーバーグ氏は、それにはFacebook Newsに幅広いニュースを提供できるかなど、数多くの要素があると答えていた。これまであまりFacebookにニュースを流してこなかった出版社も対象になるという。また、有料サイトに掲載しているニュースを出してもらう場合には、その埋め合わせもしなければならない。

「厳格な決まりはありません。いずれは規則化されるでしょうが、限度を超えることはありません」と彼は話していた。

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ザッカーバーグ氏はさらに、近年、政治広告のファクトチェックに消極的な姿勢が批判されている中で、Facebookがいかにして正確さと品質を保つのかという質問を受けていた。

彼は、政治広告の話は今日の話題ではないと避けつつ「これは種類の異なる問題です」と言い返した。つまり、参加する出版社にFacebookの出版指針を守らせることと、Top Stories(トップストーリー)セクションに表示されるトップニュースの審査を行うジャーナリスト集団を雇うことにより、何を載せて何を載せないかを決める大幅な自由がFacebookにあるのだと彼は論じていた。

「質の高いニュース専用のスペースには、みなが発言権を持ち、意見を交換できるスペースに期待しているものとは別の期待を人々は抱いています」と彼は言う。

Facebookに批判的なニュースを載せるかどうかについては、ザッカーバーグ氏は、ブルームバーグが自社関連のニュースを(ほとんど)扱っていないことを知って喜んでいたようだ。

「そんなことができるとは知らなかった」と彼はジョークを飛ばした。そして真顔に戻ってこう話した。「良い悪いは別として、私たちは数々のニュースの中で大変に目立つ存在になっています。Facebookの活動に関するニュースを排除する行為は、ニュースタブにとって合理的なものとは思えません。将来に向けて信頼を高めてゆくためにはFacebook関連のニュースも客観的に扱うべきです」。

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(翻訳:金井哲夫)

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