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当座預金サービスを提供するモバイルバンキングアプリCurrentが約22億円を調達

運営事務局 JIMOPLE 38 October 28, 2019

親が管理する10代向けのデビットカードとして始まったモバイルバンキングアプリのCurrent(カレント)は、今年初めに個人向けに当座預金口座を提供し始めた。現在、50万件を超える口座を抱える。今後の成長をにらみ、シリーズBで2000万ドル(約22億円)を調達したことを明らかにした。

ラウンドには新たに、Wellington Management Company、Galaxy Digital EOS VC Fund、CMFG Venturesが参加した。CMFG Venturesは、信用組合や1億2000万人の個人会員に金融サービスを提供する相互保険会社CUNA Mutual Groupのベンチャーキャピタル部門。既存株主からは、QED Investors、Expa、Elizabeth、Street Venturesが参加した。

2017年にサービスを開始したCurrentの最初のバージョンは、子供にお手伝いの報酬やお小遣いを与える現代的な方法を親に提供することが目的だった。時とともに10代向けの銀行口座という側面を持ち始め、昨年末には銀行番号と口座番号が付与された。働く10代の若者は、従来の銀行と同様に給料をCurrentに振り込んでもらうことが可能になった。

今年に入ってCurrentは個人用当座預金サービスを開始した。10代向け銀行口座と同じテクノロジーを基盤としている。入金振り込み、ガスホールドクレジットやマーチャントブロック(ガソリンスタンドやホテルなどのサービス提供側が優先設定できるクレジット枠)などの機能が含まれている。当座貸越手数料や「隠れ」手数料はなく、最低預入残高も求められない。

10代向け当座預金口座ユーザーの平均年齢は15歳だが、新しい個人当座預金サービスユーザーの平均年齢は27歳だ。

個人当座預金サービスの開始は1月下旬だったが、すでにCurrentの口座の約半分を占めている。18歳になったCurrentのユーザーが、自分の銀行アプリを持つため個人当座預金に移行する効果も大きい。同社によれば、10代の約98%が一定の年齢に達すると個人用当座預金アプリに移行する。

実質的な銀行口座サービスに参入することにより、Currentはより競争の激しい市場に身を置くことになる。若いモバイル世代は実店舗のある銀行より現代的で機能豊富なアプリを好む。多くのバンキングアプリが彼らをターゲットにしている。ライバルには、Step、Cleo、N26、Chime、Simple、Stashなどのアプリがある。

この分野の多くの企業と同様、Currentは実際のところ銀行ではない。同社の銀行サービスはChoice Financial GroupとMetropolitan Commercial Bankが運営している。そのため、最大25万ドルのFDIC(米連邦預金保険公社)保険に加入している。それに対し多くの銀行アプリは、提供できる機能とユーザーエクスペリエンスに焦点を当てている。

Currentの2つの製品には、Currentの口座に紐づいたVisaのデビットカード機能がついている。さらにCurrentとVisaが発表したマーケティングパートナーシップによって、Currentにとっては新しい顧客を獲得するチャンスが拡がった。

創業者兼CEOであるStuart Sopp(スチュアート・ソップ)氏は「誰もが自分の人生をより良くするために手頃な価格の金融サービスにアクセスできるべきだと考えている。Current Coreによって再構築した金融インフラでそれを実現した。お金のやりとりを扱う新しい方法を提供する多くの製品を開発することもできる。50万を超える口座を抱えるに至ったこれまでの急速な成長からも、当社の製品とコスト削減が財務的に結果を出していることは明らかだ。2020年半ばまでに100万人以上の顧客に我々のサービスの利便性を体験してもらえると見込んでいる」と述べた。

さらに機能を拡充する計画だ。来年第1四半期には、小売業者とのキャッシュバックシステムを加える予定。クレジット商品やビットコイン投資なども検討している。だが、これらを実行するには、さらなる教育と慎重な注意が必要だ。

「貧しさは高くつく。本当にそうだ」とソップ氏は言う。「お金がないとクレジットに30%〜35%の利率を負担しなければならないが、金持ちの場合は5%で済む。世界というのは逆転していて、あなたを押さえつけているようなものだ。だからクレジット商品を提供するなら正しい方法で実行する」とソップ氏は述べた。

短期的には、使いやすい予算管理ツールと、ユーザーがお金を節約できる方法を提供することに注力する。Currentの若いユーザーが最も必要とするものだとソップ氏は主張する。

これまでにCurrentは4500万ドル(約49億円)の資金を調達した。

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(翻訳:Mizoguchi)

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